風渡4「風とすすき」

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夏の終わりは、突然やってくる。お盆が過ぎると、それまでの紫外線の強い、身の置き場もないような炎天の陽は、嘘のようになくなってしまう。川の水温が急に下がり、風も冷たくなって、水遊びができなくなる。子供たちは楽しかった夏が終わってしまったことを実感する。堀辰夫の「風立ちぬ」の舞台である富士見高原に隣接しているふるさとの村は陽が陰ると突然風が起こることが多くなる。ススキの白い穂が風に揺れ、頬に当たる風は刺すような独特の冷たさを強めて行く。ふるさとに帰って懐かしいふるさとを実感させてくれるのは、まさにこの頬に当たる風の刺すような冷たさである。
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